引っ越し時のネット回線は、移転手続きでそのまま継続するより、いったん解約して新規契約し直すほうが総額で得になることが多いです。新規契約に付くキャッシュバックや工事費実質無料の特典は、移転手続きには付かないからです。
選択肢は「①移転手続き(同一契約を継続)」「②解約して新規契約」「③ホームルーターに切替」の3つです。違約金や工事費の残債が小さいなら②が基本線になります。この記事では3つの選択肢の費用構造を比較し、どちらが向くかの判断基準と手続きのタイムラインを整理します。
引っ越し時の3つの選択肢はどう違うのか
3つの選択肢は、かかる費用の構造・手続きの手間・ネットが使えない期間がそれぞれ異なります。まず全体像を比較します。
| 選択肢 | 費用構造 | 手間 | ネット不通期間 |
|---|---|---|---|
| ①移転(継続) | 移転工事費がかかる場合がある。新規特典なし | 住所変更+移転工事の調整 | 旧居撤去〜新居開通まで発生しうる |
| ②解約→新規 | 違約金・残債 vs キャッシュバック・工事費特典 | 解約と新規申込みの2手続き | 新居の開通まで発生しうる |
| ③ホームルーター切替 | 固定回線の解約費用のみ。工事費ゼロ | 端末を受け取るだけ | ほぼゼロ(当日から使える) |
①は契約をそのまま引き継ぐため一見ラクですが、移転工事費がかかる場合があるうえ、新規契約者向けの特典は一切対象外です。移転費用は契約や引っ越し先のエリアによって異なるため、継続を選ぶなら事前に自分の契約条件を確認する必要があります。②は解約費用が発生する代わりに、新規契約のキャッシュバックと工事費実質無料特典を受け取れます。
③は工事自体が不要で、引っ越し当日からネットが使えます。特にWiMAXのホームルーターは登録住所に縛られないため、次の引っ越しでも手続きが要りません。当日から使う具体的な方法は引っ越し当日からWi-Fiを使うで、WiMAXの引っ越し時にやるべき契約者住所の変更はWiMAXは引っ越しても住所変更の手続きはいらないで解説しています。
移転(継続)が向くのはどんなケースか
移転が合理的なのは、解約時に発生する費用が大きいケースです。具体的には次の3つに当てはまる人です。
第一に、工事費の分割払いの残債が大きく残っている場合です。工事費を分割で支払う契約では、途中解約時に残債を一括請求されます。残り期間が長いほど解約のハードルは上がります。
第二に、2022年7月より前の旧契約で高額な違約金が設定されている場合です。違約金の法的な上限ルールと自分の契約の確認方法は違約金のルールで詳しく解説しています。第三に、新居でも同一回線がそのまま使える場合です。建物に同じ回線の設備が導入済みなら、移転工事が軽く済み、不通期間も短くなります。
解約→新規が向くのはどんなケースか
解約→新規が向くのは、解約費用が小さい人です。残債がほぼ払い終わっている、更新月が近い、新居で旧回線の提供エリア外になる——このいずれかに当てはまるなら、②が第一候補になります。
判断の計算式はシンプルです。「違約金+工事費残債」と「新規キャッシュバック+工事費実質無料の価値」を比べ、後者が上回るなら解約→新規が得です。2022年7月以降の新規契約なら違約金は月額1ヶ月分相当が上限なので、残債さえ小さければ、違約金を払っても新規特典で回収できるケースが大半です。
新居でスマホとのセット割が組める回線に乗り換えられるなら、月額の差額も比較に加えます。違約金という一時費用だけを見て移転を選ぶと、その後2年間の総額で損をする逆転が起こります。比較は必ず「2年間の実質総額」で行うことが原則です。
キャッシュバック額は申込み窓口や時期により変動するため、判断時点の条件で必ず計算してください。新居の条件での2年間の実質総額は実質料金シミュレーターで比較できます。引っ越しが頻繁な人は、そもそも工事不要で住所に縛られないホームルーター(③)に切り替える選択も有力です。
手続きはいつから何をすればいいのか
手続きの起点は引っ越しの1〜2ヶ月前です。光回線の開通は申込みから2週間〜2ヶ月かかり、引っ越しが集中する3〜4月はさらに延びます。直前に動くと、新居でネットが使えない期間が確実に発生します。
順序は次のとおりです。最初に新居の設備を確認します。光コンセントの有無・導入済み回線・工事可否を管理会社か内見時にチェックします。これが移転か解約新規かの判断材料になるため、設備確認が常に先です。
次に現契約の解約費用(違約金・残債・更新月)を確認し、新規特典と比較して方針を決めます。方針が決まったら、新居の開通工事を入居日以降のなるべく早い日で予約し、旧居の撤去・解約日を退去日に合わせます。解約と新規申込みの順序を逆にすると不通期間が無駄に延びるため、新居側の工事日確定を先に進めるのが鉄則です。
開通までの空白期間が長くなる場合は、ホームルーターやレンタルWi-Fiでつなぐ運用が現実的です。キャッシュバックは窓口や時期によって変動するため、申込み直前にもう一度条件を確認してから契約してください。
この記事のまとめ
- 引っ越し時の選択肢は「移転」「解約→新規」「ホームルーター切替」の3つです
- 新規契約のキャッシュバック・工事費特典は移転には付かないため、解約費用が小さいなら解約→新規が総額で得になることが多いです
- 残債が大きい・旧契約の違約金が高い・同一回線がそのまま使える場合は移転が向きます
- 2022年7月以降の契約なら違約金は月額1ヶ月分相当が上限で、新規特典で回収できるケースが大半です
- 判断は引っ越しの1〜2ヶ月前、新居の設備確認が先。3〜4月は工事がさらに混みます