楽天モバイルの衛星直接通信「Rakuten最強衛星サービス」は、2026年第4四半期(10〜12月)の開始が予定されています。ドコモ・au・ソフトバンクが揃って採用したStarlink方式との決定的な違いは、対応機種を限定しないことです。米AST SpaceMobileの大型衛星が地上と同じ帯域の電波を直接届けるため、いま使っている市販スマホのまま、機種変更なしで衛星につながる設計です。この記事では仕組みの違いと、開始前に知っておくべき課題を整理します(2026年7月時点の情報です)。
楽天の衛星サービスはどんな計画なのか
計画の骨子は次のとおりです。サービス名はRakuten最強衛星サービス、開始時期は2026年第4四半期、提携先は米AST SpaceMobileです。使う周波数はプラチナバンド(700MHz帯)または1.7GHz帯から選定される予定で、料金は未定です。三木谷会長は料金設定について検討中と述べています。地上の携帯電波と同じ周波数を衛星から使う点が、この方式の技術的な核心です。
掲げられている機能は音声通話・ビデオ通話・データ通信で、メッセージ送受信が中心のStarlink直接通信より踏み込んだ内容です。山間部や海上など、地上の基地局が届かない場所を大型衛星でカバーする狙いは3キャリアと共通です。
Starlink方式と何が違うのか
最大の違いは「どのスマホで使えるか」です。ドコモ・au・ソフトバンクのStarlink直接通信は、衛星通信に対応した機種に限られます。一方、楽天×ASTの方式は、市販の一般的なLTEスマホがそのまま衛星とつながる設計です。大型の衛星に高性能なアンテナを持たせることで、地上の携帯電波と同じ帯域を宇宙から直接届けます。
つまりStarlink方式は「端末側の対応で実現する衛星通信」、AST方式は「衛星側の性能で実現する衛星通信」です。機種を選ばないAST方式は、古い端末や格安スマホのユーザーまで一気にカバーできる余地があり、対応機種の壁で衛星通信を使えなかった層への答えになります。3キャリアのStarlink直接通信の現状は衛星直接通信3キャリア比較で整理しています。
開始前に知っておくべき課題は何か
課題は主に2つあります。1つ目は衛星の数です。商用サービスは約50機体制で始まる計画ですが、完全な常時接続には95機が必要とされ、50機体制では1時間あたり4分程度の非接続時間が発生する見込みが示されています。開始直後は「いつでも必ずつながる」水準ではないと理解しておくべきです。
2つ目は打ち上げの不確実性です。2026年4月には衛星「BlueBird 7」がロケット上段の問題で計画より低い軌道に投入され、運用を断念して廃棄が決まりました。費用は保険でカバーされ、後続のBlueBird 8〜10の出荷準備も進んでおり、2026年末までに約45機を展開する目標は据え置かれています。それでも、衛星コンステレーションの構築は打ち上げの成否に左右されるため、サービス開始時期と品質は今後の進捗を見て判断する必要があります。
楽天ユーザーはこのサービスをどう位置付けるべきか
期待してよいのは「圏外の保険」としての価値です。特に2026年9月30日にauローミング協定の期限を迎える楽天モバイルにとって、衛星は自社エリアの外側を埋める新しい手段になります。料金が未定である以上、いまの段階で契約を動かす必要はありません。開始時期・料金・非接続時間の実際の3点が出揃ってから評価すれば十分です。ローミング終了への備えはauローミング終了前にできる備えで解説しています。
一方で、自宅の常用回線の代わりにはなりません。非接続時間がある衛星通信は、動画やテレワークを支える固定回線の役割を担えないからです。自宅の通信は光回線かホームルーターで確保し、衛星は外での安全網と位置付けるのが正確です。楽天ユーザーの回線の組み合わせは楽天モバイルユーザーの回線選びを参考にしてください。
この記事のまとめ
- Rakuten最強衛星サービスは2026年10〜12月開始予定。提携先は米AST SpaceMobile、料金は未定
- 最大の特徴は機種を選ばないこと。市販のLTEスマホのまま衛星につながる設計
- 音声・ビデオ通話・データ通信まで掲げ、メッセージ中心のStarlink直接通信より踏み込む
- 商用開始時は約50機体制で、1時間あたり4分程度の非接続時間が見込まれる
- 2026年4月に衛星1機の打ち上げに失敗したが、年末45機の展開目標は据え置かれている