ネットが遅いとき、原因は5分で切り分けられる。確認する順番はこの6つ
「ネットが遅い」と感じたとき、原因は確認する順番を決めれば5分で絞り込めます。順番は、①速度を測る→②別の端末で測る→③有線で測る→④ルーターとONUを再起動→⑤時間帯を変えて測る→⑥配線方式を確認、の6ステップです。
やみくもに設定を変えても原因にはたどり着けません。切り分けの考え方はシンプルで、「端末→ルーター→建物→回線」の順に容疑者を1つずつ外していくだけです。そもそも速度がどこで決まるのかを知りたい人は、速度が決まる仕組みの全体図を先に読むと理解が早くなります。
まず何をどの順番で確認すればいいのか
6ステップを一覧にまとめました。上から順に試すだけで、原因が「端末・ルーター・建物・回線」のどこにあるかが分かる構成になっています。
| ステップ | やること | わかること |
|---|---|---|
| ① | 速度測定サイトで現状を測る | 「遅い」を数値で確認できる |
| ② | 別の端末で同じ場所から測る | 端末が原因かどうか |
| ③ | LANケーブルで有線接続して測る | Wi-Fi(ルーター)が原因かどうか |
| ④ | ルーターとONUを再起動する | 機器の一時的な不調かどうか |
| ⑤ | 昼と夜で時間帯を変えて測る | 回線の混雑が原因かどうか |
| ⑥ | 建物の配線方式を確認する | 建物の設備が原因かどうか |
各ステップでどう原因を切り分けるのか
①速度を測る:まず数値で現状を把握する
速度測定サイトで下り速度・上り速度・Ping値を記録します。数値がなければ、対処したあとに改善したかどうかも判断できません。下り30Mbps以上出ていれば動画視聴やWeb閲覧は問題なく動くため、体感の遅さは別の要因(サイト側の不調など)です。10Mbpsを下回るなら、次のステップへ進みます。
②別の端末で測る:端末か、それ以外か
スマホとパソコンなど、別の端末で同じ場所から測ります。1台だけ遅いなら原因はその端末です。端末の再起動・OSアップデート・不要アプリの整理で改善します。すべての端末が遅いなら、原因は端末より先にあります。
③有線で測る:Wi-Fiか、回線か
ルーターとパソコンをLANケーブルで直結して測ります。有線で速度が大きく改善するなら、原因はWi-Fi、つまりルーターの置き場所か性能です。有線でも遅いままなら、原因はルーターより先の「建物の配線」か「回線そのもの」に絞られます。
④ルーターとONUを再起動する:機器の不調を除外する
ルーターとONU(光回線の終端装置)の電源を抜き、1分待ってからONU→ルーターの順に入れ直します。機器は長期間動かし続けると内部の処理が滞り、速度が落ちます。再起動で直るケースは非常に多く、これで解決したら原因は機器の一時的な不調です。
⑤時間帯を変えて測る:混雑か、設備か
昼間と夜21〜23時の両方で測ります。夜だけ極端に遅いなら、原因は回線の混雑です。時間帯に関係なく終日遅いなら、建物の設備か配線方式が疑われます。
⑥配線方式を確認する:建物の上限を知る
マンションの場合、建物内の配線方式が速度の上限を決めます。壁の差し込み口が電話線(モジュラージャック)ならVDSL方式で、最大100Mbpsが上限です。配線方式の見分け方と各方式の違いはマンションの配線方式で詳しく解説しています。
原因がルーターだったらどうすればいいのか
まず置き場所を見直します。床への直置き・棚の中・水槽や電子レンジの近くは電波が弱くなるため、床から1〜2mの高さで、家の中央寄りに置き直します。
次に規格の世代を確認します。本体のラベルや型番で調べ、Wi-Fi 5(11ac)以前なら買い替えを検討します。現在の主流はWi-Fi 6以降で、複数端末の同時接続に強く、古い機種からの買い替えで速度は大きく変わります。使用年数が5年を超えたルーターは、不具合がなくても買い替えの目安です。
原因が建物(VDSL)だったらどうすればいいのか
VDSL方式の場合、プラン変更や上位プランへの乗り換えでは解決しません。建物の配線そのものが100Mbpsという上限を作っているため、契約をどう変えても天井は変わらないからです。
取れる選択肢は2つです。1つ目は、建物の配線を使わないホームルーター(モバイル回線をコンセント1つで使うタイプ)への切り替えです。2つ目は、引っ越しの予定があるなら、次の物件が「光配線方式」かどうかを内見の段階で確認することです。
原因が回線の混雑だったらどうすればいいのか
夜だけ遅いなら、まず契約中の回線がIPv6(IPoE)接続に対応しているかを確認します。IPv6接続は混雑しやすい設備を経由しない通信方式で、対応しているのに使っていないだけなら、申し込みと対応ルーターへの変更で改善します。
IPv6に対応していない、または対応済みでも改善しないなら、回線の乗り換えが最終手段です。乗り換え先は、月額だけでなくキャッシュバックや工事費まで含めた実質負担で比較します。実質料金シミュレーターを使えば、自分の条件での総額を並べて確認できます。
この記事のまとめ
- 「遅い」の原因は、①速度測定→②別端末→③有線→④再起動→⑤時間帯→⑥配線方式の順で5分で絞り込める
- 有線で速くなるならルーターが原因。置き場所の見直しとWi-Fi 6以降への買い替えで解決する
- 終日遅くてVDSL方式なら、プラン変更では解決しない。ホームルーターか引っ越し先での確認が現実的な選択肢になる
- 夜だけ遅いなら混雑が原因。IPv6(IPoE)対応を確認し、改善しなければ乗り換えを検討する
よくある質問
ネットが遅い原因で最も多いのは何ですか?
最も多いのはWi-Fiルーター周りの問題です。置き場所が悪い、規格が古い、長期間再起動していないといった理由で速度は大きく落ちます。有線接続で速度が回復するならルーターが原因です。Wi-Fi 5以前の機種や使用5年超のルーターは買い替えの目安です。
夜だけネットが遅くなるのはなぜですか?
利用者が集中する時間帯に回線が混雑しているためです。昼間は速いのに21〜23時だけ極端に遅くなるなら、混雑がほぼ確定します。IPv6(IPoE)接続に切り替えると混雑ポイントを避けられます。対応していない回線なら乗り換えが選択肢になります。
ルーターを再起動しても遅いままなら何を確認すべきですか?
有線接続での速度と、時間帯による変化を確認します。有線でも終日遅いなら建物の配線方式(VDSL)が疑われます。VDSLは最大100Mbpsが上限のため、プラン変更では解決しません。ホームルーターなど建物の配線を使わない手段を検討します。
マンションでVDSL方式かどうかはどうやって確認しますか?
部屋の壁にある差し込み口で判別できます。電話線の差し込み口(モジュラージャック)から機器につながっていればVDSL方式です。LANポートや光コンセントなら別の方式です。契約中の回線事業者のマイページでも確認できます。